還暦ひとり旅 シベリア鉄道+ヨーロッパ日記

還暦記念?に北京からモスクワ、ヘルシンキ、ドイツ、イタリア、と鉄道の旅に行ってきました

シベリア鉄道(3月30日、31日)

中年女性は学校に行かなくてはならないから、と言ってノボシビルスクで降りて行きました。暖かい雰囲気でゆっくりはっきり話すところからして、もしかしたら小学校の校長先生かもしれません。若い男性ふたりも同じ駅で降りてしまったので、北京からイルクーツクのようにひとりでのんびりスペースを独占できるかもしれないと期待したのですが…

地元のおばちゃんたちが手作りのピロシキや魚の干物などをホームに来て売っている駅で男性がひとり乗って来ました。

ちなみにそこで私はピロシキを買いましたが、油がしみ過ぎという感じでした。買ってしまってからもっとおいしそうなのを売っている人がいたのですが、時すでに遅し。

 

男性はテレビをつけていいかと聞いて、ハリウッドのパニック映画を上の段で寝そべって見始めましたが、そのうちにいびきが聞こえて来ました。

降りる駅に着く少し前に起きてシーツを畳んで元通り袋に入れると、愛想よくダスヴィダーニャと言って降りて行きました。シーツは使わなかったことに? 寝台車に昼間だけ乗るのも可能なのでしょうか。(モスクワに到着後リネン類はくしゃくしゃに集めていたので普通はちゃんと洗濯しているものと思われます)

昔、横浜からお茶の水に通っていたとき、朝横浜駅で待っていると夜行列車が目の前に来る事があって、短い時間でも横になって会社に通えたらいいのに、と思ったのですが…

あの夜行列車はたしかもう廃止されてしまったと思います。

 

確かめた訳ではありませんが、一応夜は男性と女性が1対1にならないように気を使って席を決めているようです。

 

オムスクでどやどやと女性のグループが乗って来ました。でも旅をするのはかなり臨月に近そうな妊婦さんで、ほかの人は送って来ただけで、降りて行きました。彼女のお姉さんかと思っていたら赤の他人とあとで判明した若い女性と年配の男性が上の段のお客でした。まさか産気づいたりしないでしょうね、と少し心配でした。

 

男性はトイレで着替えてきたようです。

 

妊婦さんを心配してか夫君から何度も電話がかかってくるらしく、彼女はイヤホンとマイクをつけて、飲んだり食べたりしながら話をしていました。車内で通話するのを禁止しているのは日本ぐらいなのでしょうか?

 

妊婦さんはマリーナさんと言って、妹さんに赤ちゃんが生まれたのでモスクワまで会いに行くということでした。英語がけっこう達者なので助かりました。(こちらがたいしてできないのは困りますが)

旅慣れているらしく、筒型のパン、ハム、きゅうりなど持って来てそれぞれを薄切りにするとオープンサンドにして食べていました。

 

そのうちにレース編みを始めましたが、熟練した様子で、図案も見ずにすばやく編んでいきます。聞くと、プロだそうで、自分でデザインして編んだニットをインターネットで売っているのだそうです。彼女の作品と上司というか先生の作品をスマートフォンで見せてもらいましたが、オリジナリティがあって贅沢ですごくすてきでした。ただ、ロシア語のサイトなので検索もできないだろうし、残念。

 

マリーナさんの分の毛布がなかったのですが、大丈夫と言ったので車掌さんもそのまま行ってしまいました。明け方少し冷えて来たので、こんなときのためと、シベリアが極寒だったときに役に立つかと持って来ていたストール兼ブランケットを貸してあげました。シベリアではそこまで寒くなかったので出番がありませんでしたが、どこだったかホテルが少し寒かったときにも使いました。このブランケットは、だんだん旅をするうちにスーツケースがいっぱいになってきて季節も春になったときに、郵便で日本に送り返しました。

 

ロシアの食堂車の車両です。

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アイスバーグサラダとかいうのを食べてみましたが、普通のサラダだったような…ボリュームはありました。あまり記憶がありません。たぶん普通だったので写真を撮るのも忘れてしまったと思われます。

 

ボルシチは壷のような器にたっぷりで、サワークリームとハーブ入りでおいしかったです。写真を撮ったつもりでしたが、カメラの調子がわるくて(カードが悪かった?)撮れていませんでした。

 

翌日上段のふたりは降りて行きました。午後、車掌さんがマリーナさんになにごとが言っていました。申し訳ないけれど夜男性がふたり乗って来る、と言ったそうです。

 

マリーナさんに記念に日本から持って来たきれいな柄の着物の端切れをあげると、「絹?」と喜んでくれて、ちょうど編み上がったレースのドイリーをくれました。

「ロシアン・メモリーという題名よ」と。

 

夜寝ていると、車掌さんの懐中電灯の案内で、ふたり男性客が上段の寝台にのぼりました。

イルクーツクより前のことはわかりませんが、ロシアではシベリア鉄道はけっこう普通に普段利用する列車のようです。もっともあとで会ったモスクワの通訳ガイドさんは、シャワーが浴びられないから私は利用しない、と言っていました。