モスクワ2日目
ホテル・イズマイロフは大規模なだけあってレストランやカフェもいくつかあります。
朝食のビュフェに行こうと、数人が入って行ったところに後について入ろうとすると、朝食券を見たスタッフが「あちらです」と指差しました。
そちらに行くと、テーブルが何十もある大きな部屋に、すでにたくさんの人が席について食事をしていましたが、中国人ばかりです。東洋人はこちら、とか分けられているのかとも思いましたが、翌朝は白人男性がひとりだけ隅の方にいたので、そういうわけでもないようです。団体旅行で出発時間が決まっているのでしょう。
ビュフェの内容は旅行中一番の豊富さでした。
生のフルーツ、干したフルーツ、パン、卵料理、ハム、サラダ、暖かい料理がそれぞれ数種類ずつ、おかゆ、ヨーグルト、ジュースとコーヒー、紅茶。それに朝から甘いものも。チョコレートケーキまでありました。
中国からのお客さんたちもフルーツやらなにやらお皿に山盛りにして健啖家ぶりを発揮しています。ひょっとしたら食にどん欲と言われる中国人が利用するホテルならおいしいものをたくさん食べられるのかもしれません。
モスクワは人件費が高いと旅行社に言われ、通訳ガイドと車は初日と送迎だけにしたので、ひとりで出かけなくてはなりません。
リディアさんが教えてくれたとおりに、買っておいたカードで地下鉄に乗り、パルチザンスカヤ駅で乗り換え、クロポトキンスカ駅で降りました。
さて、どちらの方角だったか? 車で通ったはずですが、思い出せません。標識があったので、矢印が示す方向へ歩きました。
実は20年ぐらい前にNHKのロシア語講座を見て少し勉強した事があり、数の数え方の格変化でさっさとめげたので、全くできるようにはなっていないのですが、ロシア文字は神田の書店に練習帳を買いに行って練習したので少しだけ読めるのです。
それが災いしました。
矢印の方へ行ってもそんなに遠くないはずなのにそれらしき建物はありません。一本隣の道を指していたのかも、とそちらに行ってみましたがありません。他の場所の標識を見るとまた混乱する方向を指しています。さんざんさまよってしまいました。
途中でトルストイの家博物館があったので、入ろうと思ったら、昼休み休憩中。のんびり出て来たとはいえ、もうお昼になっていました。リディアさんおすすめのレストランもほど遠からぬところにあったと思うのですが、見つかりませんでした。
最初の標識のところに戻りました。美しい白い救世主キリスト教会の向かいあたりです。
もしかして… 矢印の先にそれがあるのではなく、矢印の根元の方にあるということではないかしら?
今までと反対側に歩いて行くと、左手にまず印象派の作品を収蔵している小さな建物があり、通り過ぎたところにプーシキン美術館本館はありました。
ちなみに矢印の上に文字が書いてあるときは、日本と同じように矢が指す方向に行くので大丈夫です。
プーシキン美術館にはエジプトなどの考古学的なもの、中世ヨーロッパのカテドラルのファッサードや彫刻、時代ごとのヨーロッパの絵画、それにミケランジェロや他の有名な彫刻家の複製があって、デッサンをしている人もいます。生徒たちに美術史を学ばせるのによさそうな構成になっています。
さて、写真が撮れたり撮れなかったりしてどうもおかしいと思ったのですが、ついに上海で大枚はたいて買ったSDカードが完全に壊れてしまいました。撮ったつもりの救世主キリスト教会や美術館もだめでした。1枚だけ撮れていたのは…
「猫の勝利」マルグリット・ジェラールという18世紀の画家の絵だけでした。
猫好きなら思わずほほえんでしまうでしょう。
カメラはカードなしで使って、夜パソコンに移すことにしました。足りない分はスマホのカメラで撮りました。
道に迷ったのと本館の膨大な作品を見たのとで疲れてしまって 印象派は見なかったのですが、あとになれば、やはり見ておけばよかったです。エルミタージュの印象派の部屋が閉まっていたので。
何か食べようと思いましたが、駅近くのカフェはいっぱいだし、レストランはちょっと気後れしたのとまだ夕食には早い半端な時間だったので、ホテルに帰って一階のカフェにはいりました。
普通のメニューの他にレント(キリスト受難の前の期間で、肉食は慎みます)のメニューというのがあって、肉抜きの料理が何種類かありました。
そういえばロシア正教のイースターはカトリックより1週間遅いそうです。
レントの方から選んでみました。ポテトがすごい量です。何個分? 大きな赤ピーマンにライスサラダを詰めて、見た目はひき肉風、実は菜食のソースをかけた料理も量が多いです。
しかも味は… あんまりぱっとしません。
すぐ近くなので土産市場にも行ってみました。テーマパークみたいな感じです。観光シーズンではないからか、閑散としていました。寒いのに野良猫たちがいました。